遺産整理と遺品整理の違い
1 遺産整理
遺産整理とは、被相続人の遺産を洗い出し、各相続人へ遺産を分配するまでの一連の手続きをいいます。
主に財産に関する手続きのことで、具体的には、①遺言書の有無の確認、②相続人調査、③財産調査、④(遺言書が無い場合)遺産分割協議書の作成、⑤遺産の分配(相続財産の名義変更等)といった手続きを行っていくことになります。
① 遺言書の有無の確認
相続が発生した場合、遺言書があるかないかで、その後の相続手続きは異なる流れとなります。
したがって、相続が発生した場合には、まず遺言が存在するかについて確認しましょう。
自筆証書遺言の場合は、被相続人が貴重品を保管していた場所で個人的に保管していたり、相続人あるいは身近な信頼できる人に保管してもらったりしている可能性があります。
公正証書遺言で遺言書が作成された場合は、遺言書は公証役場に保管されています。
平成以降の公正証書遺言であれば、公証役場の遺言検索システムで検索することができるので、お近くの公証役場で検索をしてみることをおすすめします。
なお、ご自宅等で保管されていた自筆証書遺言の場合には、検認手続きを家庭裁判所で行う必要があります。
検認は、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、検認の日現在における遺言書の内容を明確にして、遺言書の偽造・変造を防止するために行われます。
検認をせずに、遺言書を開封してしまった場合でもそれによって直ちに遺言書の効力が無効となるわけではありませんが、過料が課せられることになりますので注意が必要です。
② 相続人調査
相続手続を進めるためには、誰が相続人であるかを客観的に確定する必要があります。
戸籍謄本等を調べることで、相続人の範囲を確定することになります。
③ 財産調査
相続財産、すなわち、被相続人の遺産の範囲についても客観的に確定する必要があります。
主な遺産としては、不動産、預貯金、株式に加え、負債が考えられますが、それぞれ不動産登記事項証明書、預金通帳、残高証明書、取引残高報告書、信用情報など、客観的な資料によって遺産を確定させる必要があります。
④ 遺産分割協議書の作成
遺言書が無い場合、相続人全員で遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成する必要があります。
遺産分割協議での合意は、相続人全員で行う必要があり、相続人のうち1人でも欠けた状態で合意がなされた場合、その遺産分割協議に基づく合意は無効となります。
⑤ 遺産の分配(相続財産の名義変更等)
遺言書がある場合には、基本的には遺言書に記載の通りに遺産を分配することになります。
遺言書が無く、遺産分割協議書を作成した場合には遺産分割協議書に記載された内容に基づき、遺産を分配することになります。
遺産を相続することになった相続人は、それぞれ取得する財産について、被相続人からご自分の名義へと変更する手続きを行います。
2 遺品整理
遺品整理とは、被相続人が生前使っていたものや身の回りのもの、思い出のものを整理することをいいます。
遺品整理という場合、財産的価値のない物も含まれます。
また、被相続人が住んでいた場所に遺された、衣類や生活用具等の処分といったことも含まれます。
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