相続で必要となる戸籍謄本の集め方
1 相続で必要となる戸籍謄本
相続では、相続放棄や遺産分割、預貯金の払戻、不動産の相続登記、相続税の申告など、さまざまな手続きにおいて戸籍謄本が必要となります。
まず、法定相続人を特定するためには、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本を集める必要があります。
また、相続人全員の戸籍謄本や、代襲相続人の戸籍謄本、被相続人の父母の出生から死亡までの戸籍謄本、亡くなった兄弟姉妹の出生から死亡までの戸籍謄本等が必要となる場合もあり、戸籍の収集に大変手間がかかることも少なくありません。
2 戸籍謄本の集め方
戸籍謄本は基本的には本籍地のある市区町村役場に対して、窓口や郵送で申請をすると入手可能です。
被相続人の本籍地が不明な場合は、最後の住所地の役所で住民票の除票を取得し、本籍地を確認してから取得します。
郵送で申請し、返送を受けるまで通常1~2週間程度かかります。
全ての戸籍謄本を集めるのに2~3か月かかるような場合もあります。
2024年3月1日以降は、広域交付制度により、本人、配偶者、直系尊属(父母など)、直系卑属(子など)の戸籍謄本は、本籍地以外でも最寄りの市区町村役場やコンビニ交付サービスにより、戸籍謄本を取得できるようになりました。
そのため、広域交付制度が利用できる分(本人や父母の分など)は、この制度を利用すると便利です。
逐一市区町村役場に申請するよりも早く、郵送代などもかからず集めることができます。
3 法定相続情報証明制度の利用もおすすめ
たとえば、複数の金融機関で払戻を受ける場合、戸籍謄本が1セットしかないと、1つの金融機関の窓口で戸籍謄本を提出して返却を受けてから、次の金融機関の窓口に提出することになり、時間がかかってしまうからです。
このような場合、法務局に戸籍謄本と法定相続情報一覧図を提出し、認証文を付した写しを交付してもらうことで、相続手続きがスムーズになります。
4 戸籍謄本の取得でお困りなら専門家へ
どのような方法でどの戸籍謄本を取得したらよいかわからない場合、仕事で忙しく時間がない場合、体調などの理由で郵送や窓口での申請ができない場合などは、専門家に依頼することもできます。
まずは広域交付制度を利用して集め、不足分については専門家に任せるというやり方でもよいでしょう。
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